Cyberbird

写真、旅行、猫、創作、日常、ぐるぐる地を巡る日々

猫を拾って ~6.去勢手術から現在~

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 拾った猫をいよいよ去勢手術することになった。

獣医さんからは、前日の21時から猫に絶食絶水をするように言われる。

手術するときには全身麻酔をかけるため、胃の中に食べ物や水が入っていると戻してしまって窒息する可能性があるからだそうだ。

そんなわけで、前日の21時以降は餌と水を片付けておいたのだが、今の季節は窓に結露する。

喉が渇くと猫は結露の水をなめてしまった。

盲点だった。

「いやいや、少量ならよい? 大丈夫? たぶん大丈夫?」とアワアワしながら窓を拭いてもきりがない。

とりあえず移動に使うケージ(これしかない)に入れておくが、猫は狭いケージは嫌いなのでさんざん騒いだ挙句に破壊して自力で脱出してしまった。

どうしようもないので、諦めて明日獣医さんに連れて行って事情を話すことにした。

 

翌日の9時、去勢手術に連れていく。

脱走防止のため、洗濯ネットに猫を入れてから(ネットに入れると走りにくいので、ダッシュできない)猫を壊されていない別のケージに入れて運んだ。

獣医さんに結露をなめてしまったことを伝えたら「それぐらいなら問題ないでしょう」とのことだったので安心した。

メスの先住猫が避妊手術をしたときには1泊したが、オスの去勢手術は日帰りで15,000円。

避妊手術と比べると去勢手術のほうが簡単で、費用も安い。

その日はなにかあった時に駆け付けられるよう1日予定を入れていなかったので、預けた猫を引き取る17時まで、猫がいる間はなかなかできない大掃除とお世話になった愛護センターに今までのことを知らせに行ったりしていた。

 

獣医さんから緊急の電話がかかってくることもなく、17時になったので猫を動物病院に迎えに行った。

慣れない環境と狭いケージが気に入らないらしく、猫は大きな声で鳴いていた。

思ったより元気そうな様子に安心をする。

去勢手術では抜糸もないそうなので、手術後は5日分の化膿止めの薬をもらって飲ませるのみでいいと言われる。

猫を自宅に連れて帰って様子を見ると、傷口からまだ血が出ており、洗濯ネットに血がついていた。

猫はさすがに体調がよくないのか、食事を少し食べた後はすぐに横になってずっと寝ていた。

 

手術当日とその翌日はさすがに大人しく寝ていたが、猫は3日目からは依然と同じようにごそごそと元気に動き回るようになった。

元気よく部屋の中を走り回るので、傷口がまた開くのではないかと心配していたら、やはり多くはないが床に血液がところどころついている。

そして傷口を頻繁になめるので、傷口に触っても大丈夫なんだろうかと心配になるが、傷口をなめないようエリザベスカラーを付けるよう指示はなかったので、とりあえず異変がないか様子を見るだけにしておいた。

メスの避妊手術後は傷口にガーゼをあてられて、なめないようネットを被されていたのと比べれば、オスの去勢手術はそんなに大きな傷にならないのはよかったと思う。

もともとおなかを下しやすい体質なのか、猫は便が柔らかめだったのだが、手術後は2週間近く下痢をしていた。

化膿止めの薬の副作用もあるだろうし、ショックやストレスも大きかったんだろうなと申し訳なくなる。

 

去勢手術をするとオスの性格が丸くなっておとなしくなるというので、それは期待をしていたのだが、すぐにおとなしくなるわけではないらしい。

長い目で見ると喧嘩をしなくなるなど違いはあるとは友達から言われた。

年を取るにつれて性格も変わっていくのではないかと思う。

ただ、猫はあいかわらず起きているときはごそごそと走り回っていたり、外に出たがって大声で鳴く時間は減ったとは思う。

 

こうして去勢手術も終わり、猫の行先も決まると落ち着いて精神的に余裕が出てきたので、猫とのこれまでのことを忘れないようにこうして書いておくことにした。

名前を付けると情がわくからとくに名前を付けていなかったが、結局「チビ」という相性が名前になっている。

猫はこれからは人間の都合に振り回せず天寿を全うしてほしい。

そして猫を引き取ってくれることになった人にも、猫と一緒に暮らすことで日常が楽しくなってくれたらと祈っている。