Cyberbird

写真、旅行、猫、創作、日常、ぐるぐる地を巡る日々

猫を拾って ~3.猫との同居生活~

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猫は里親が見つかるまでの一時的ない場所として、私の部屋に置いておくことにした。

先住の猫が新参の猫を嫌がったためである。

先住の猫に拾ってきた猫を対面させたら、先住の猫は当然怒り、唸り声をあげて威嚇する。

または、新参の猫が一定の距離以上近づくと逃げたので、とても一緒には置いておけない。

 

我が家は動物の多頭飼いの経験がない。

先住の猫を拾ってきた時には、もう一匹兄弟にあたる黒猫もいたのが、兄弟猫なので猫同士を慣れさせる必要はなかったので苦労はしていない。

だが、その黒猫は家の外に出してしまったために車にひかれて亡くなってしまった。

他には野良猫の雄が冬頃に寒さと飢えで住み着いたことがあったが、これが先住の猫と仲が悪く、流血するまで喧嘩をするのでやはり一緒にしておくわけにはいかなかった。

 

肝心の猫は元気そのもので、もりもり餌を食べて、むくむく大きくなっていった。

成長期の猫はあっという間に大きくなる。

最初はおとなしく、人間をかまないし引っ掻かないし、人懐っこいので

人間と一緒に暮らすのには問題なさそうな猫に思えたのだが、これがとんだ思い違いだった。

なんのことはない、拾ってきた猫は空腹と疲れで動く元気がなかっただけだったのである。

食事と水を与えたら、猫は夜中の2時や3時でも部屋の中を駆け回り、遊び足りなければ大声で鳴くようになった。

 

今いる先住猫は8歳。

人間ならば中年から初老に差し掛かっている年齢なので、性格も落ち着いてきて、日がな一日寝ては気が向いたときに家の庭や周囲を散歩するだけである。

昼になっても朝寝ていた場所で寝たままで動いていないことは珍しくない。

そんな状態の猫になれていたので、夜中でも活発に動き回り、よく鳴き、目を離すといろいろなものにかみついたり、カーテンに飛びついたり、ごみ箱をひっくり返したりする子猫に、猫ってこんなに暴れる生き物だったっけな……と遠い目になる。

元気の有り余っている子猫はだいたいこんな感じらしいのだが、もうすっかり昔のことで忘れていた。

また、先住の猫は兄弟2匹で駆け回って遊んでいたので人間にあまりちょっかいをかけてこなかったのと、違う部屋にいることも多かったのであまり気にしなくてすんでいただけだったのだと思う。

 

夜中は運動会で駆け回り、朝はおなかをすかせて6時ぐらいに鳴き出す。

同じ部屋で暮らすには思ったよりも大変な状況だった。

ただでさえ仕事の疲れと残暑の厳しさで体調があまり良くない状態で睡眠不足まで重なるのだからたまらない。

また、ノミの駆除がまだ完全ではなかったのでノミに刺されることもあり、仕方ないのでしばらく居間のソファで寝ていた。

 

そんなわけで、猫の飼い方や夜中に暴れる猫への対処法も連日インターネットで検索することになった。

猫は夜行性だが(正確には明け方と暮れの薄暗い時間帯が一番活発になるらしい。猫の主食になるネズミなどの小動物がその時間帯に活動をしているため、猫もそれに合わせて活動しているからだそうだ)、飼い猫は一緒に暮していれば人間の生活サイクルに合わせて夜に寝るようになる、という記事を読んだので、別の部屋で寝るよりは一緒に寝るようにしたほうがいいだろうと、一度くらいはと諦めて自分の部屋で寝ることにした。

 

私はソファで寝ても体がバキバキ傷むことがないタイプなのでソファをベッドにすること自体は問題なかったが、居間は誰か家族がいるので寝る時間になっても電気が消せないのと物音が気になって寝れないことも多かった。

そのため、家中あちこちを移動して寝やすい場所を探したが、夜中でもふすま越しにテレビの声が聞こえてうるさかったり、物置になっていっていて布団を敷くスペースがないなど、結局どこも不都合があったので自室で寝ても大差なかったのだ。

 

他には、猫が疲れるまで運動させることがよいということだったので、日がな一日部屋の中にいては退屈だろうからと一匹でも遊べるような猫のおもちゃと、一緒にいるときに動かすための猫じゃらしを何種類か用意した。

幸いねこじゃらしは大好きなようで、少し振り回せば猫は思いっきり走り回る。

遊び疲れて動きが鈍くなればやめ、回復してまた遊びたがればねこじゃらしを振り回し、運動させる時間を作ることにした。

 

猫が学習して人間の生活に合わせて寝起きするようになるまで、気長にやるしかなさそうだった。